SHIPSで長年展開している<Gitman Vintage>。
現在でもすべての生産を米国内で行っている数少ないシャツメーカーのひとつだ。
トレンドがどんなに変化しようとも、普遍的な魅力があるものはずっと生き続ける。
いいモノはいいからだ。その理由を改めて紐解いてみよう。
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A RICH HISTORY
IN AMERICAN MANUFACTURING

<Gitman Vintage>誕生までの歴史を辿る

起源は100年近く前

<Gitman Vintage>のルーツは1930年代にまで遡る。その背景には、狂乱の20年代と大恐慌。アメリカ合衆国の戦間期で資本主義の矛盾が強まって起こった経済現象から逃れようとした、移民第一世代を中心とする数人の偉大なシャツメーカーたちがいた。そのひとりがブルックリン出身のマックス・ギットマンだ。彼は家族と仕事を炭鉱の町アッシュランドに移し、1932年に「アッシュランド シャツ & パジャマ カンパニー」を設立した。

GITMAN BROS.のはじまり

その後生まれた特殊な技術は特別なシャツ作りの基礎となり、1950年には彼の双子の息子が事業に加わってますます発展していく。彼らの高い精度は強固な工場文化につながり、独自のレーベルで市場に出すことに。1978年、<GITMAN BROS.>が誕生した。SHIPSはこの翌年、1979年から同ブランドの取り扱いをスタートしている。

成熟したヘリテージブランドから
ローンチ

その後何世代にも渡って継承された知識の系譜に価値があり、その豊かな伝統に敬意を表したシャツコレクションとして、2009年に<Gitman Vintage>が立ち上げられた。歴史あるテーマと現代的なひねりを融合させているのが特徴だ。貴重なデッドストックをはじめとする良質な生地で新たなカジュアルシャツを展開。

GITMAN社は「THOM BROWNE」や「BAND OF OUTSIDERS」などのOEMも手掛ける、現在でもすべての生産を米国内で行う数少ないシャツメーカーのひとつだ。熟練した職人によって作られた一枚のシャツには、その歴史と経験、そしてアメリカのムードが宿っている。


section02

Buyer’s Eye

ーバイヤーに聞いたギットマンの魅力ー

現在<Gitman Vintage>のバイイングを担当するSHIPS MEN'S MDの岡部に、
その魅力を語ってもらった。

ギットマンとの出会いはいつですか?

2003年に20歳でSHIPSへアルバイト入社したときですね。もともとアメリカ製のモノは好きだったんですけど、ギットマンのことはあんまり知らなくて。先輩から、オックスフォードでアメリカ製といえば「ギットマン」だと教えてもらって。当然、最初の一枚は<GITMAN BROS.>のオックスの白でした。

国内外で他にも多くのシャツを見てきていると思いますが、ギットマンの魅力って何ですか?

やっぱり「MADE IN USA」というところが一番大きいですね。アメリカ製っていろいろあるんですけど、丁寧な作りかといわれると、正直雑だったりテキトーなところもあって。それがアメリカ製の味ともいえますよね。

そういうところもいい意味で昔から変わらないんですね。

はい(笑)。あとは、今となっては大量生産されるので余計なものはどんどん省かれているんですけど、ギットマンのボタンダウンのシャツには、チョークボタンやハンガーループなどなくても困らないものが、伝統を重んじて昔ながらのディテールとして残されているのがいいですよね。

なるほど。
私物では何枚くらい持っているのですか?

ショップスタッフ時代にはワンシーズンに2枚は買っていたので、この20年で40枚くらい。ただもうほぼサイズアウトしてしまって…。シーズンのチェック柄などは毎回変わってしまうのでもう手に入らないのですが、白やブルーのオックスなど定番のものは買い直したりもしましたね。

チェック柄は定番に見えて、そうでないんですね。

はい、生地は変わりますね。ただ、現ギットマン社代表のクリス氏によると、生地は日本製がいいと言っていて。SHIPSのオリジナルシャツと全く同じファブリックを使っていたりすることもあるんです。70〜80年代にも日本製のオックスフォード生地を使っていたようですね。

これまでで最も記憶に残るシャツは?

バンドカラーのギットマンが欲しくて2019年春夏に別注したこのストライプです。ハンガーループもつけました。ヨーロッパのバンドカラーに比べるとアメリカらしくボリュームがあって少々不恰好なんですよね(笑)。ただ、それが良さでもあると思っています。これはこれで、アメリカ製らしく愛着が持てて。バイヤーとして初めて別注したものでもある思い出の一品です。

先日NYへ出張に行かれていますが、
そこでのエピソードを教えてください。

初めて訪れたのはバイヤーを担当するようになった2018年ですが、毎回ショールームの壁に飾られているものが楽しみで。今回も貴重なものを見ることができました。

シャツ/岡部私物

1:ギットマンがこれまでに手がけたシャツのタグ

2: 24SSコレクションの一部

3: 世界に一枚しかない自転車用のナイロンシャツ。商品化はされていない

4: 親日家として知られるクリス氏が来日した際に出会ったスカジャンをイメージして、刺繍まで全てアメリカ製で再現したシャツ

5: 古着好きのクリス氏が高円寺の古着屋で見つけた、北海道の伝統行事で使われていたというもの。北海道のニセコにはスキーをしによく訪れるという

23FWもこれからというところですが、今回のバイイングは24SSシーズンになりますよね?

はい。24SSは「プレッピー・アウトドア」をテーマにしようと考えているので、コットンのオックスは押さえつつ、インドマドラスのチェックをピックアップしようと思っています。世界でみても流行っている特定のものはなく、むしろ原点回帰の傾向で、NYでさえトラッドなスタイルの人が多かったので、SHIPSで定番で扱っているギットマンに改めて注目してほしいですね。今買えて、今すぐ着られるシャツも豊富に揃っています。

SHIPSがセレクトした23FWコレクションより


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SHIPS'S SELECTION

ーSHIPSで今すぐ買えるラインナップー
“Short Sleeve"
“Long Sleeve"
STAFF'S POST

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