セットアップの使い勝手のよさを知ったら、ビジネスシーンでのスタイルが充実すること間違いなし。
今回はセットアップのなかでも定番であり、春夏らしい素材で仕立てた夏の一推しモデルをドレススタッフ3名にリサーチ。
クロストークと合わせてチェックしよう。
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二子玉川店店長 松本 庄平
素材のトレンドは圧倒的に「リネン」。スーチングの中でもその傾向が見られ、来年以降もリネン混が台頭する見込みだ。伸縮性とは結びつきづらいイメージの「リネン」だが、経糸にリネン、緯糸にコットン・ナイロン・ポリウレタンを使用することで、優れたストレッチ性とキックバック性を兼備。さらに、パンツは特殊なゴムを配置したウエストアジャストメント仕様で、ウエストの寸法を自在に調節し、かがんだり座ったりするときにもストレスがない。柔軟な着心地を実現した新素材は、ハンドウォッシャブルという季節柄嬉しい機能も。
OFF STYLE
出張での移動や海辺のテラスで食事をするときなど、特別なシチュエーションにはこんな スタイルがおすすめ。カジュアルなダンガリーシャツの首元にはボタニカル柄のスカーフ をアクセントにしながら、あくまで上品に。足元はエスパドリーユでラフに仕上げて、軽 快さを出そう。
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渋谷店店長 伊藤 誠
トラッド好きに外せない夏素材といえば、サッカー生地。ウールの世界標準規格のランクで「スーパー原料」(100'S以上)と呼ばれる、シルクやカシミヤと同等に細い120'Sクラスの糸にソロテックス®をブレンドした生地を採用。袖裏もない軽量な作りで、コットンではないウールサッカーならではの上品な表情が、ビジネスシーンでの装いをワンランク上へと華麗に演出する。ストレッチ性とシワの回復力に優れ、ケアが楽なところもいい。ラグジュアリーでエレガントな顔の裏に、ビジネスパーソンを支える快適性が備わった一着。
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プレス 河野 健徳
昨年好評だった、リネンライクな多機能素材「シック&シン」を採用。日本で回収されたペットボトルのリサイクル繊維を使用した環境に配慮された素材で、意図的に糸のムラを作って強撚にし凸凹を強調することで、麻のような、ドライで清涼感のあるタッチに仕上げている。ストレッチ、接触冷感、吸水速乾、防シワ、ウォッシャブル性と多機能を持ち合わせているのも特徴。昨年のモデルからは袖ボタンを3つから4つに変更し、よりドレスジャケットらしく見えるようアップデートされている。
CROSS TALK
「セットアップについて考える」
セットアップの魅力を改めて知ろう
松本:セットアップはスーツと違ってカジュアルダウンしやすく、普通のスーツだと堅くなりがちなところ、セットアップそのものにほんのりカジュアルな匂いがあっていい。
伊藤:スーツのような上下のキマリのよさがありながら、いい意味でカジュアル要素が強いぶん、中の組み合わせ次第でいろいろなシーンに対応できる、そういう懐の深さもありますね。
河野:スーツのカジュアルダウンより、セットアップのドレスアップの方が簡単ですしね。スーツの素材感には合いづらい鹿の子のポロシャツを着てもいいし、艶っとしたシルクのネクタイも合わせられる。
伊藤:たしかに。今年の夏は外に出かける機会も圧倒的に増えるでしょうし、素材感も意識しておしゃれを楽しみたいですね。合わせるものもそうですが、サッカー生地のセットアップは季節を代表する素材のひとつでおすすめです。
松本:僕が着ているのもリネンベースで、夏らしくていいですよね。ハンドウォッシャブルでケアが楽なところも、スーツと比べて気兼ねなく着られます。洗濯が可能なものだと生地の風合いもほとんど変わらず、安心して洗っていただけますので、夏でも清潔さを保って着用できます。
河野:僕がおすすめするのは100%リサイクル糸を使った多機能な素材のモデルです。セットアップも進化し続けていますよね。
松本:これもリネンのような風合いが楽しめますね。そのうえ、夏のビジネスシーンに便利な機能が満載で。
河野:セットアップは使いやすさ以外に、手頃なところもポイントですよね。スーツのプライスゾーンが13万円ほどであるのに対し、セットアップなら上下で揃えても5万5千円程度。スーツはスーツのよさがあるので僕は実際スーツ派ですが、汎用性も踏まえるとコスパ抜群なアイテムですよね。