


いい方に裏切る、
というおもてなし。
バイヤーとして国内外へ買い付けに行くことが多いのですが、商品を仕入れるときに大事にしているのは、SHIPSらしさ。目の前にあるこの服が、SHIPSのほかのアイテムと3コーデ以上できそうか。今までSHIPSのスタイルを体現してきた先輩たちがこの服をたくさん着たいと思うかどうか、をイメージします。先輩から学んだのは、「自分好みの買い付けは、ただの買い物にすぎない」ということ。さらにSHIPSらしさに色付けしたいのが、個々のバイヤーらしさ。自分の強みは、スタンダードなアイテムに別のテイストをミックスさせるスタイリングだと思っています。
目指しているのは、お客様が自覚していないような、ニーズを超えたものをお届けすること。それが何よりのおもてなしだと思っています。想像以上のクオリティ、自分では挑戦しようと思わなかったスタイルをご提案して、日常がほんの少しでも幸せになること。そして本当に着たい服を当たり前に身に着けていられることが、「最高の普通」だと感じています。


ボールペン、お味噌汁、
SHIPS。
20年近くプレスを経験して、2020年からDX部という部署で働いています。今の仕事内容はSHIPSのメインレーベルで、シーズンごとに主軸となるアイテムを紹介するコンテンツを、ウェブサイトを中心に制作しています。大事にしているのは、丁寧さとわかりやすさ。商品情報を確認しつつ、チャームポイントを探していくのですが、SHIPSのアイテムは「ベーシック」が前提なので、一見、特徴が見えづらかったりする。だからこそ商品の奥にある魅力や特徴を深堀りしていくために、とにかく観察することを大切にしています。
SHIPSを服以外でたとえるなら、ずっと使いたいボールペンとか、いつ飲んでもホッとするお味噌汁みたいな、いつも身近にあって、心地よさや安心感が極まった状態。寒い日に暖かくなるものを羽織ったり、暑い日には涼しげなブラウスを着たり、心身を委ねられるものをまとっているときの高揚感こそが、その人にとってのオシャレなんじゃないかな、と思うんです。


嘘をつけないのが
シップスの特技です。
19歳のとき、神戸店のオープニングスタッフとしてアルバイトから始まり、いくつかの店舗で販売を経験後、東京に異動。商品部やプレスに所属し、その間、産休・育休を経て、この10年ほどはEC課に所属しています。主な業務は、オンラインショップの商品ページの制作と管理。ウェブサイトで販売するにあたってのスケジューリングや、掲載する商品の管理、モデルさんを絡めた商品撮影などを行っています。
ECサイトはお客様の顔が見えないので、安心・安全には特にこだわっています。絶対にお客様に嘘をつくような記載はしない。たとえば、使用している素材の表記を間違ってしまうと重大な問題になりかねないので、それぞれが責任を持って入念なチェックを心がけています。
これまでいろんな部署で、いろんな業務を担当してきましたが、SHIPSの人はみんな誠実で熱量が高い。そんな「人のよさ」もECサイトに反映されているといいな、と思っています。


スムーズな物流が、
私のファッション。
2007年にアルバイトで入社して以来、ずっと物流を担当しています。主な仕事は、各店舗や他社様のECサイトへの商品の出荷。最近の新しい取り組みとして、自社ECサイトでは倉庫からお客様へ直接配送も行っています。
仕事で何よりも大事にしているのは、コミュニケーションです。他部署の人ともお酒を飲む機会が多いんですけど、結局いつも仕事の話になる。物流は社内との連携も大事なので。しかも愚痴ではなく、どうやったらもっと良くなるのか建設的な話をするんです。酒の席ぐらいは違う話をすればいいのに、すごいですよね(笑)。
いちばん大切にしていることは、商品をミスなく迅速に店舗に届けること。スムーズな物流によって、店舗スタッフが接客に集中できる環境になり、お客様に喜んでいただけることにつながるので。物流はファッションのように奥が深い。「これは人が作業したほうが早いかも」「逆にここは機械化したほうが確実だな」などと、やればやるほど工夫の余地が出てくるのが楽しくて、いまだにハマっています。


どこまでも誠実な
中2でありたい。
僕が学生の頃、プレスの人が雑誌などによく出ていたんです。自分も目立ちたがり屋だったので、これだなって。3年間の販売スタッフを経て、念願かなってプレスに異動。上司は「とにかくやってみろ」というスタンスで、わからないながら挑戦させてもらえる環境でした。
あるとき、担当したシーズンビジュアルでスタイリングを攻めすぎて、社長にダメ出しをされてしまいました。「SHIPSは変えすぎたらダメなのだ」と。色・素材・スタイルのうち、ひとつを変えるのはいいけれど、すべてを変えたらSHIPSらしさが消えてしまう。そう言われて、だから長く続いているのだと腑に落ちました。
うちの会社はシャイだけど熱い、いい意味での中2病が多いんです(笑)。ひとつの商品にものすごい情熱を注いで、お客様は気づきにくい細部にも徹底してこだわっている。僕自身はそういった人たちをつなげたり、まとめたりするのが役割だと思っています。洋服はもちろんですけど、それ以上に一緒に働いている人たちが好きですね。


本人より、
自己紹介がうまい服。
商品部には20年以上在籍していて、買い付けからものづくり、新ブランドの立ち上げなど幅広く従事しています。現在はSHIPS MENとWOMENの責任者として、統括する立場でもあります。僕が考えるSHIPSらしさは、決して派手ではないけれども、本質が追求されているところ。着る人の本質と服の本質がつながるものを目指しています。身につけることで生まれる高揚感も大切ですが、それ以上に、洋服を通じてその人らしさを表現できることが重要だと思っています。
一見普通だけど、歴史や文化が裏打ちされ、内面に表現されているプロダクトが「最高の普通」であり、それを生み出すためには、作り手である我々が本物を知らなければいけません。私は「経年優化」という言葉が好きなんです。着るほどに体に馴染んで、オンリーワンのアイテムになれるような服は、プロダクト自体がしっかりしていないといけません。だからこそ我々が本物を知って、「出会ったときがピークではない」ものを提供していく必要があるんです。


子ども服が
入らなくなっても、
関係は終わらない。
入社以来、販売がメインで、10年ほど前から名古屋で唯一のSHIPS KIDSの店舗で店長を務めています。扱っているのが子供服なので、間接的な買い物がほぼ100%。親御さんからおじいさんおばあさん、友人の子どもへのプレゼントなど、幅広い年齢層の方がいらっしゃるのも特徴です。
お客様と接する際は「決めつけない」ように努めています。たとえば出産祝いのプレゼントを選びにきた方が、必ずしも赤ちゃんの服を探しているわけではなく、もう少し大きくなってからの服をあげたいとイメージしているかもしれないので。
お客様がSHIPSに期待しているのは、流行りを追いすぎず、5年後、10年後も引き継いでいける服だと感じています。子ども服の場合はまさに、「お下がりにしていきたい服」ですよね。なので、実際にお下がりにして長く愛用しているお話を聞けるととても嬉しいです。中には自分の子どもに着せて、お孫さんの誕生記念にまたSHIPSの服を選んでくれた方もいます。そんなときSHIPSの歴史を実感しますし、お客様の信頼と安心を裏切ってはいけないのだと背筋を正される思いになります。


誰かと向き合うとき、
こなれ感はいらない。
大学生のとき、飲食店でアルバイトをしたら「めっちゃ接客力あるよね!」と言われて、真に受けまして。憧れだったSHIPSで働き始めました。29歳で店長になり、以来、CS(顧客満足)に重きを置いて、スタッフとの関係性を築いています。
自分は数字よりも、スタッフ個々の強みを自覚してもらうことを重視しています。まずは僕が積極的に長所を伝えて、自信を持ってもらうことが、彼らの成長やチームの活性化につながるし、そういう当たり前のことを日々やるのが店長の仕事だと思っています。
リアル店舗の極意は、人を介して買い物をすることなので、記憶に残るような体験にしたい。意外とみんな、お客様には質問できないとか、間違ったことを言えないという思いが強く、遠慮しすぎてしまうんです。その点、僕は「グイグイいきますよね」と言われますけど、それでクレームをもらったことはありません。とはいえ、その辺はキャラクターにもよるところなので、接客を教えるのはめちゃくちゃ難しい……笑。難しいけれど、SHIPSらしい接客っていうのを言語化して、共有していきたくて。僕のこれからの役割かなと思っています。
