スタイリスト・宮澤敬子さんに聞く 今の気分と着こなしの新しいルール スタイリスト・宮澤敬子さんに聞く 今の気分と着こなしの新しいルール

スタイリスト・宮澤敬子さんに聞く 今の気分と着こなしの新しいルール

誰もが一度は見かけた事のあるTVCMや広告、ビルボード、アーティストのPVやファッションショー、トレンドを発信するファッション誌などなど、20年以上に渡って第一線で活躍し続けているトップスタイリストの宮澤敬子さんがSHIPS MAGに登場! 「最近、選ぶ服の好みがちょっと変わってきた」という宮澤さんが、リアルに愛用している私物を交えて、今の気分をスタイリングで体現。“スタイルアップ”や“男性ウケ”という気になるキーワードが飛び交うなか、その場でスタイリングしていただきました。一見、テクニカルに見えるけど、明日からでも真似できる理路整然とした着こなし術、必見です!

紺ブレや台形ミニが定番だったトラッドから一転 デザイン性の高いユニークなアイテムが気になる

――宮澤さんは普段、どんな着こなしやアイテムが好みですか?

「子供の頃から両親の影響もあり、スタイリングは全般的にトラッド。紺ブレやチェックのミニスカートばかり着ていたんです。何を選んでもベーシックなものが軸になっていました。身長が小さいので、スタイルが良く見えるものとして3パターンくらいの定番スタイルがあって。例えばビッグシルエットのトップスにスキニーとか、タイトなニットに台形ミニ。ワンピースもこのくらいの着丈でAラインであるとか、そういう風にルールがありました」

――そんな宮澤さんは最近のスタンダードムーブメントに逆行するように、デザイン性の高いものに惹かれているとのことですが、具体的にどういう部分ですか?

「ここ最近、基からベーシックなアイテムばかり揃えている私には、新しく取り入れたいアイテムと言うものがなくて。そんな時に、気になり始めたのが着用したときに面白いシルエットになったり、意外性のあるデザインのもの。色は相変わらずホワイトやネイビーが多いんだけど、ACNEやrag&boneのように、体を入れてみないと分からないようなデザインが今は気分です。他にはJWアンダーソンの両袖がノースリーブとハーフスリーブで変化があったり、カッティングが面白いものに目がいきがちなんです」

――それにより、お買い物の流れやスタイリングのルールに変化はありましたか?

「今までは試着しないで買い物が出来ていたんですよ、台形ミニだったりタイトな半袖ニットだったり“これ絶対、私に似合う”っていうのが分かっていたから。でも最近は、絶対に試着をするようにしています。またオーバーサイズって、小柄な私はどうしても着せられてるイメージがあったからなかなか手に取ることがなかった。でも今は、あえて身長が低い人が、ずるずるっと引きずるくらいのコートを着ているのも可愛いなって思うようになってきました」

気を付けているのは“男性目線”ちょっとピンクな雰囲気を発散するスタイルを意識

――では今、ご自身のスタイリングで意識している事は?

「うーん、場所やシーンにもよりますけど、普段からちゃんと男ウケは狙っていると思う(笑)。やっぱり小難しかったり、ファッション性が強すぎたりして男性が嫌煙してしまうような着こなしは避けるかな。男性に媚びるという意味ではなく、客観性として男性目線を意識することでバランスを取る。例えばこのあと出てくるスタイリングも、黒を基調としながらも動きのある軽いプリーツスカートを合わせたり、リネンシャツ&ガウチョパンツとモードっぽくまとめながらも動きのあるボブへアだったり、どこかでフェミニンさは大事にしている。まわりから見て、ちょっとだけピンクな雰囲気をふんわり発しているような着こなしが好きですね」

――実践的なお話、ありがとうございました!

左からリネンシルクのシャツワンピース。
プリーツが優雅な動きを創出するロングスカートに、昨年購入したというサン・ローランのショルダーバッグ。
重厚なレースアップブーツ。

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ボトルネックのリネンニットに私物のプリーツスカートをセレクトしたスタイルは、オーストリッチのバングルがアクセントに。
「ロングスカートに肩掛けバッグ、そしてボリュームある靴が普段から大好きなんです。昔はトップスに大き目のものを合わせて小顔効果を狙っていたんですが、最近は縦長なシルエット+足元にボリューム感という方程式の方が、小顔効果が誘発できるという事を知って。スカート以外をブラックでまとめているけど、プリーツのふんわりとした動きが女性らしさをアピールしてくれるんです」

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清涼感溢れるリネンのシャツワンピースに、トレンドアイテムであるガウチョパンツを合わせてワンランク上を行くハンサムスタイルに。
小物にスポーティなものを選ぶことで、モードっぽさを緩和した。
「ショルダーバッグと同じくらい欠かせないのがバックパックです。女性らしいミニバッグとかはあまり私らしくないので、ブランドでもメンズのバッグを買ったりします。そしてここでも小顔効果を狙って、ボリュームのあるFoot the coacherのレースアップブーツをチョイス。シルエットがゆったりしているから、無骨なデザインのブーツでクールに引き締めました」

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スタイリスト 宮澤 敬子

'93年スタイリストとなる。'05年よりディーコード所属。現在は広告、CDジャケット、雑誌などの分野で活動中。