カナダから発信される実験的コレクションに迫る!  Identity of “HAUD STUDIO” カナダから発信される実験的コレクションに迫る!  Identity of “HAUD STUDIO”

カナダから発信される実験的コレクションに迫る!
Identity of “HAUD STUDIO”

男の伝統的な制服や作業着、ミリタリーなどのエッセンスを上質な素材とユニークなカッティング、オーバーサイズのシルエットなどで大胆にアレンジしたコレクションを展開する「HAUD STUDIO(ハウド・スタジオ)」。カナダのトロントで生まれたこのブランドは、ストリートやモードといった垣根を取り払う新しいヴィジョンを持った存在として世界中のファッショニスタから注目を浴びつつある。そんなブランドの実像に迫るべく、デザイナーのシャド ウアディエール氏にお話を伺った。

photo
photo
photo
photo
photo

「いつも重視しているものは
快適さや着やすさです」

????まずはブランドのコンセプトを端的に教えてください。

「私たちが目指しているモノづくりは、伝統的な作業服を、それに適した方法で、普段着に合うように調査、再提示することです。進歩的で持続可能な職人の細かい仕立てとその技術の研究に特に興味を持っていますので、ブランドの目的としては、着やすい服を作るというシンプルなものです」

????自身のモノづくりに影響を与えた、時代や文化、国や様式などがあれば詳しく教えてください。

「そうですね、自分たちの周りにある様々な空間にかなり影響されています。自分たちのルーツ、そして旅行などで得られる多くのソース、そして大切なのは、かつて起こった物事(歴史)などです」

????実験的なアプローチに目を奪われますが、デザインに関して重要視していることはなんでしょうか? 

「快適さや着やすさは、いつも特別に重視しているものですね。スタジオでは、機能性を重視してモノづくりを進めていますが、それと同じく生地に関しては、自分たちが創ろうとする物の目的を満たしたものでなければなりません。そして同時に顧客を満足させられる物でなければならないと思っています」

????なるほど。確かに素材使いには非常に個性を感じますが、何か基準などを儲けているのでしょうか?

「季節感を反映した素材を、我々のアート・ディレクションに準じて常に選んでいます。生地は、最終的にスタジオで自分たちが納得のできるように手作業で仕上げていきます」

????シルエットに関してはいかがでしょうか? ゆったりとしたプロポーションが目立ちますが、どんな点を意識しているのでしょうか?

「オーバーサイズのフィットに関しては、それに固執しているわけではなく、その服がどのようなフィットやシルエットであるべきかを考慮して反映させたに過ぎません。自分たちが求める機能をまず実現させるためのフィットを常に選んでいますし、例えば、よりぴったりした一仕立てのジャケットも作っています」

????そういった特徴的なシルエットも含め、自分たちのクリエイションに影響を与えている都市やカルチャーなどがあれば教えてください。

「そうですね。アート的で創造的なエネルギーは、我々の都市であるトロントから出て来ていると思っています。でも私たちは、日本、ベルギー、英国などの大ファンでもあります」

????日本(東京)のマーケットに進出するにあたり、意識したことはありますか?

「日本のマーケットにはとても興奮していますよ。過去数シーズンでも、多くのショップで非常に暖かい歓迎を受けました。自分たちのクリエイションを日本のような充実したマーケットで広げていけるのは本当に喜ばしいことだと思っています。さらにいろいろなことができるように、ビジネスでのやりとりをよりオープンにして、よいパートナーシップを継続していきたいです」

????今後、日本(東京)市場での特別な企画が始動することは考えられますか? 何かイメージがあれば教えてください。

「今の段階では、日本のためのエクスクルーシブラインはありませんが、私たちは常にアイデアをオープンにしていますし、ユニークなものがあればパートナーである多くのショップともよく話し合って、プロジェクトを実行していきたいと思います」

????これからの目標を教えてください。

「ハウドは、伝統的なメンズウェアの敷居を取り払おうとしています。一貫して挑戦し続けますし、ユニークなアイデンティティを持ち続けたいと思っています」

photo
photo
photo

HAUD STUDIO(ハウド・スタジオ)

ハンバー大学でファッション・プログラムを専攻していたヘッドデザイナーのシャド ウアディエール氏を中心に、2015年、カナダのトロントで設立。シャド氏はナイジェリアにルーツを持ち、多国籍なエッセンスやアイデアを伝統的なメンズウェアに反映させた実験的コレクションを発表し続けている。イン・ハウス・チームと職人やアーティストといった外部スタッフが一体となって作られるウェアは、高級素材やユニークなフィット、大胆な切り替えなどが持ち味。既存の枠に囚われない新世代の急先鋒として世界で注目されている。

photo

スリーブやジップを長めに採ったプルオーバータイプのカットソー。ドロップショルダーが特徴的。

ハーフジップカットソー ?60,000(+tax)/HAUD

photo

ユニークな曲線を描くポケットを配したカジュアルシャツ。厚みと肌触りの異なるシャツ地を効果的に切り替えている。

シャツ ?65,000(+tax)/HAUD

photo

軽量ナイロン仕様のフライトジャケット風ブルゾン。敢えて中綿をたっぷりと施し、ボリューム満点のビッグシルエットで仕上げている。

ブルゾン ?90,000(+tax)/HAUD

photo

ランダムな“ほつれ”とテープの配置でグラフィカルな表情を見せるカットソー。こちらもボディやスリーブをゆったりと設定したビッグシルエット。

カットソー ?50,000(+tax)/HAUD

photo

カバーオールをベースにした肉厚なコットンジャケット。内側からリペアのように施したエルボーパッチと裾の装飾的な“ほつれ”がアクセントに。

ジャケット ?60,000(+tax)/HAUD

photo

極太のテーパードシルエットが新鮮なワークパンツ。左足の膝裏には“NOWHERE”という大きな刺繍が入る。

パンツ ?65,000(+tax)/HAUD