三井田悦子
クリエイティブアドバイザー
1980年シップスウィメンズスタート時より店舗スタッフを経て、企画バイヤー、現職に至る。
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SERO
「シップスがオープンした頃から取扱いがある〈セロ〉のボタンダウンシャツ。当時はウィメンズサイズがなかったので、メンズのものをオーバーサイズで着ていたくらいお気に入り。アイロンをかけなくてもシワが目立たなくて着やすいところは、個人的に好きなポイントでもあるかな(笑)。シャツは劣化するのが早いので、同じデザインを定期的に買い替えています。」
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HERMES
「今から30年以上前、パリに駐在していたお友達から『〈エルメス〉を持つなら内縫いのケリーでしょ』と教えていただいたことがきっかけで、まずは定番の黒のケリーを手に入れました。この珍しい赤のカラーは、当時通っていた上野のアメ横にあったヴィンテージショップで見つけたもの。購入してからかなり経ちますが、3年に一度は磨きに出したりしているので、今でもコンディションは良好。思いっきりカジュアルな装いに、さらりと持つようにしています。」
#3/10
CHANEL
「20年ほど前に買ったチェーンバッグは、当時パリで買った〈シャネル〉のベージュと黒のバレエシューズに合わせたくて購入したもの。こちらもアメ横のヴィンテージショップで見つけたのですが、当時はこういう珍しいカラーがちょこちょこ店頭にあって、とにかく楽しかった。最近は、斜めがけにしてサコッシュのように普段使いしています。あまりにもラフに使っちゃうから周りに驚かれるけど、使わないと価値がもったいないでしょう。」
#4/10
USED
「サイジングが絶妙なミリタリーのベイカーパンツは、10年ほど前に原宿の〈サンタモニカ〉という古着屋さんで見つけました。丈やシルエットが完璧なので、ずっと大切に愛用しています。海外に行くことは多いけど、自分にフィットするサイズを見つけることって不可能に近いんです。結局日本の古着屋さんに通った方がお気に入りに出会えることが多いかもしれませんね。」
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USED
「ジーンズにバレエシューズ、手元にチェーンバッグやケリーを持つスタイルは、40年以上変わっていません。とくにワードローブに欠かせない〈リーバイス〉の701は、10年くらい前に古着屋さんで買ったもの。当時はリジットだったんですけど、10年間ひたすら洗い込んで洗い込んで、を繰り返したことで、とてもいい味が出ていると思います。」
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VINTAGE
「ネイビーのシャネルジャケットは、一度シップスから離れ、フリーランスになった20年前くらいに見つけたもの。フットワーク軽めにヴィンテージショップを巡っていた時に出会いました。すでにミックスツイードのジャケットは保有していたのですが、これは〈シャネル〉っぽくないデザインに惹かれて、つい(笑)。当時好きだった〈マークジェイコブス〉のスタイルを意識して、インナーにはボーダーを、ボトムスにはセーラーパンツを合わせていました。」
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J.M. WESTON
「1975年にオープンしたシップスには、おしゃれは足元からという言葉にふさわしい、とても素敵な靴がたくさん並んでいました。中でもバイヤーに『ウエストンは最高のローファーだ』って教えていただいて。5足以上持っていますが、素足で履く場合はDワイズ、ソックスで履きたい時はEワイズだったり、スタイリングやシーンごとに使い分けています。30年以上前に手に入れたネイビーのローファーは、ずっと変わらない私のスタンダードです。」
#8/10
YURI PARK
「私のワードローブを語る上で欠かせないボーダー。中でもこの〈ユリパーク〉は、10年くらい前に購入したもので、今も店頭で取り扱っているシップスの定番アイテムです。夏はコットンニット、冬はウールニット素材を選んで、シーズン通して着ています。上質な生地感もそうですが、ボートネックのラインや、オフホワイトにダークネイビーのストライプがとても上品でお気に入りです。」
#9/10
ORTEGA
「ちょっと大きめのジージャンの上から着たらとても可愛い〈オルテガ〉のニットベストは、少し派手な赤を選んでアクセントに。ターコイズやナバホのビーズなど、インディアンジュエリーを合わせて楽しんでいます。ここ最近は、コロナの影響もあってアメリカで織れる方が減ってしまい、入荷が少なかったのですが、少しづつ店頭に入荷しています。社員購入禁止になっているくらい、社内でも人気の高い定番アイテムです。」
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HERMES
「カジュアルなコーディネートにパンチが欲しい時、この〈エルメス〉のアイコニックなシェーヌダンクルのジュエリーを身につけます。ただ私のポリシーとして、ブレスレットとネックレスをセットで使うことはありません。同じブランドのものを2つ以上纏いたくないから、例えば〈エルメス〉のスカーフをして、〈エルメス〉のシューズを履くこともない。型にハマらない、色々なテイストの服やアクセサリーをミックスしていくのが好きなんです。」
何よりも大切なのは、自分らしくいられる“スタンダード”なスタイルを見つけること。そして、ブレずに貫くこと。
コレクションとして大切に置いておくことが価値ではなく、日常に取り入れる方が自分にとって価値がある。使う度に気分を上げてくれるものだから。
シーズンレスやジェンダーレス、エイジレス、年代もそう。相反するテイストやジャンルをミックスすることは、ファッションをより楽しませてくれるコーディネートのエッセンスです。
SHIPS Primary Navy Label
「シップスといえば、創業時から取り扱いのある紺ブレ。これはスリーサイズ展開があるので、例えばマザーニーズで使う場合は36サイズを、私のようにカジュアルにパンツスタイルでスタイリングする場合は一番大きい40サイズをチョイスする。それが着こなしのポイントですね。ダブルもあるんですが、シングルの方がよりメンズっぽいかなと思って。ウール100%だから少し落ち感があって、綺麗めなワンピースドレスっぽいものの上に羽織っても、かっこよく決まるんです。」
SHIPS Primary Navy Label
「毎年シップスで別注しているインディビジュアライズドシャツ。ボタンも男性のドレスシャツのもので、替えボタンも紺色に染めていたり、こだわりが詰まっています。丈を長くしてワンピースにするだけで雰囲気も変わりますよね。何よりアメリカ製なところがいいでしょう。シップスの変わらないコンセプト“スタイリッシュスタンダード”って、こういうこと。これは麻100%だから、洗うとシワに良い味が出るの。冬も着られると思います。」
eb.a.gos
「サイズ違いをいくつか持っているのですが、これはハンドルが短くて、大きめのサイズ感がとても良い。〈エバゴス〉は、籠だから夏用だって思われがちですが、実はシーズンレスに使えるもの。チェスターコートに合わせたり、ブラックウォッチのストールをさりげなく中に入れたりして、スタイリングのギャップを楽しむのもあり。使わない時は、ドライフラワーを入れてインテリアとして飾っても素敵なんですよ。」