ATSUYA OGAWA
SHIPS DRESS BUYER
小川 厚也
(シップス ドレスバイヤー)
Updated 2025.05.21
09
スーツこそ“ふだん着”として楽しむ
2015年にシップスへ入社し、ショップスタッフを経て
2022年からドレスバイヤーを務める小川。
「あくまでスタンダードの軸を守りつつ、各シーズンを
象徴するエッセンスをどう表現するか。そんなことを
意識してバイイングしています」と話しますが、
それは小川自身の装いにも通じるモットーだそう。
「やはりスーツが好き、ネクタイが好きなのですが、
ドレスアップしていてもナチュラルに見えるか
ということをいつも考えています。
そのためには、やはりベーシックが自分の核。
そこへいかに新鮮なアップデートを
重ねられるかが永遠のテーマですね」
肩肘張らず、ふだん着の感覚でスーツを楽しむ。
そんな小川のマイルールをご紹介。
2015年にシップスへ入社し、ショップスタッフを経て
2022年からドレスバイヤーを務める小川。
「あくまでスタンダードの軸を守りつつ、各シーズンを
象徴するエッセンスをどう表現するか。そんなことを
意識してバイイングしています」と話しますが、
それは小川自身の装いにも通じるモットーだそう。
「やはりスーツが好き、ネクタイが好きなのですが、
ドレスアップしていてもナチュラルに見えるか
ということをいつも考えています。
そのためには、やはりベーシックが自分の核。
そこへいかに新鮮なアップデートを
重ねられるかが永遠のテーマですね」
肩肘張らず、ふだん着の感覚でスーツを楽しむ。
そんな小川のマイルールをご紹介。
「ジャケットは色柄ものも着るのですが、スーツに関してはずっとベーシック派。ネイビーやグレーの無地がワードローブのほとんどを占めています。ドレスダウンするよりも、ネクタイとシャツでオーソドックスに合わせることが多いですね。チーフはあまり挿しません。着飾りすぎないほうが性に合っているんです。とはいえシンプル一辺倒ではちょっと退屈ですから、どこかに時代の気分を取り入れることも意識しています。今日の服装なら、ネクタイの柄色に今季の推し色であるボルドーパープルを取り入れてみました。ちなみに大剣幅は9㎝で、現在の一般的なタイよりちょっとワイドなものを選んでいます。“わかりにくっ!”というツッコミが聞こえてきそうですが、個人的にはそれくらいがちょうどいい。人からは特に何も言われない。でも、もしかしたら心の中で“今日の小川はちょっと違うな”なんて思ってくれているかもしれない……それくらいの塩梅でアップデートを続けるようにしています」
「色使いがシンプルなぶん、素材にこだわる……というのはテーラード界隈の定石。もちろん私も、素材の選び方・合わせ方についてはかなり気を遣っているのですが、ついつい手に取ってしまうのが“さっくり系”のファブリック。スーツ生地ならある程度の重さがあり、艶やかなものよりはマットな風合いのもの。シャツならオックスフォードクロス、ネクタイならレップなどが好みですね。これくらい素朴な雰囲気のファブリックを選ぶことで、“ふだん着としてのスーツ”を表現しています。それから素材の組み合わせも重要ですね。今日の場合、スーツとシャツは平織り、ネクタイは綾織り。こうして織りに変化をつけることで、Vゾーンが立体的に見えるようになります。気負わずナチュラル、でも野暮ったくは見せない。そんなバランスを大切にしていますね」
「ブリティッシュスタイルが好きで、昔からスーツスタイルには英国靴を合わせるのが私のお決まり。ですが最近はそのなかで少しだけ心境の変化が生まれていて、同じ英国ドレス靴でも“柔らかさ”を感じるものを合わせることが多くなっています。色でいうならば、黒よりも茶。素材ならスムースレザーよりもスエードといった具合ですね。英国人はスーツに茶靴を合わせない……なんて話も聞きますが、ふだん着としてのスーツスタイルならこれくらい力を抜いてもいいのかなと。ただ、外羽根の茶スエード靴ではさすがにカジュアルすぎますから、フォルムやデザインはあくまでドレスに。今日履いているクロケット&ジョーンズのセミブローグは、バランスのいいラウンドトウや整ったパーフォレーションなど上品さがあるところがいいですね」
SUIT/SHIPS
SHIRT/Salvatore Piccolo
TIE/Holliday & Brown
BELT/L'AIGLON
SHOES/CROCKETT & JONES
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